皆さんは、SFアニメや映画の中で記憶の移植や改ざんと言ったものを見たことはありますか?
そんな現実ではありえないようなことが、将来可能になるかもしれません。
今回は、「記憶移植」に関して簡単に皆さんと情報を共有したいと思います。
なぜ、今このような話をしようと思ったかと言うと、アメリカの研究者が「記憶を移植」に成功したというニュースを見たからです。
実際にはどういうことなのか簡単に見ていきたいと思います。
身体の一部分の移植などならわかる気もします。
今では心臓移植なども世界中でやられています。
しかし、「記憶」を移植するというのは素人からすると雲をつかもうとしているのと一緒な気がしますね。
それが現実になるというのはすごいことですが、反対に恐ろしいことでもありますね。
神の領域まで足を踏み入れてしまっているのではないでしょうか。
アメリカの研究者らが成功した実験と言うのが、海に住んでいる軟体動物のジャンボアメフラシと言う生物の個体から別の個体に遺伝子のRNA(リボ核酸)と言うものを使い記憶を移植することに成功したというものです。

引用:http://www.umiushi.info/kanri/photo_dsp.php?key=photo_3bcbc8a52338f.jpg&offset=0&act=LOG&text=20010629.txt&location_code=1350&yyyy=2001&mm=06&dd=29&fg=0
その方法と言うのが、ジャンボアメフラシに刺激に対して防衛反応を起こす訓練を行ったそうです。
そして、その個体から取り出したRNA(リボ核酸)を訓練を行っていないアメフラシに移植します。
すると、訓練していないにも関わらず防衛反応を起こしたそうです。
具体的な防衛反応訓練と言うのは、ジャンボアメフラシの尻尾に電気ショックを与えて身体を縮ませる訓練をします。
この訓練をしたジャンボアメフラシは体を触られるとおよそ50秒収縮したそうです。
しかし、訓練していない別の個体は10秒程縮ませるだけだったそうです。
そして、電気ショックを与えて訓練されたジャンボアメフラシの神経からRNAを取り出し、訓練していない別のジャンボアメフラシに移植すると、訓練していないにも関わらず体を触ると約40秒体を収縮させたそうです。
この実験結果から「記憶の移植」に成功したと言ってよいかもしれませんね。
今回の実験結果は、今後のアルツハイマー病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の影響を軽減させる取り組みに応用できると考えているそうです。
また、更に研究が進めば、SFアニメや映画のような人間への記憶移植や改ざんが可能になるかもしれませんね。
RNA(リボ核酸)とは?何?DNA(デオキシリボ核酸)との違いは?

引用:https://www.slideshare.net/RosioDeLeon/dna-and-rna-55344251
今回の「記憶移植」に関して皆さんが疑問に思ったことはRNAと言う言葉だと思います。
今回の実験結果から記憶と言うのは、これまで脳の神経細胞同士の接合部にあるシナプスに蓄積されると考えられていました。
しかし、今回の実験からシナプス以外にも記憶が蓄積されていることが証明できたということです。
まず、私たちがよく聞く言葉DNAについてですが、これは人間や動物、細菌、植物などにとっての遺伝情報を保存、伝達する部分です。
それに対してRNAとは、それが遺伝子として働く場合、ウイルスの遺伝情報の保存、伝達をになっています。
DNAとRNAはどちらもヌクレオチドと言うものから作られており、いわゆる兄弟と言うことになります。
そこで、今回はこの二つの違いについて簡単にですが、解説しておきます。
RNA(リボ核酸)とは?何?DNA(デオキシリボ核酸)との違いは?
まず、二つの機能の違いについてですが、DNAに関してはドラマなどを良く見ていればわかると思います。
最近では、DNA検査の技術が進歩しており未解決事件などを改めてDNA検査して犯人を特定したと言うニュースもありましたね。
そんなDNAには遺伝情報を保存、伝達します。RNAにはたんぱく質を作るための遺伝コードを転写するのに用いるそうです。
生物によってはこのRNAを遺伝情報を伝達するのに用いられているそうです。
今回のジャンボアメフラシの実験がまさにそうですね。
構造の違いとしては、DNAは良くドラマや映画で目にする2本の鎖分子であり長いヌクレオチドから成り立っています。

引用:https://konkatsu-press.com/special/dna-konkatsu/
RNAは一本鎖らせんであり短い長い鎖から作られています。

引用:http://www.umichrna.org/
私も専門家ではないので詳しくはわかりませんが、DNAは紫外線にとても弱いそうです。
それに対してRNAはDNAに比べて紫外線に耐性があるそうです。
また、DNAは1種類ですが、RNAには3種類あります。
今回は名前だけ紹介します。
メッセンジャーRNA、トランスファーRNA、リボソームRNAの三種類があり、それぞれ異なる働きをします。
DNAは良く耳にしますが、RNAはDNAと同じくらい必要な働きをしています。
RNAはタンパク質の合成などをサポートしているのですが、人間には、そのたんぱく質が身体の約20%占めているそうです。
私たちの身体が良好な機能を維持できているのはRNAがあるおかげだと言ってよいですね。
今回のジャンボアメフラシの実験からRNAの重要性についてもう一度考えなくてはならないかもしれません。