皆さんは「テヅルモヅル」と言う名前を聞いたことがありますか?

引用:https://academist-cf.com/projects/1
ちなみ、私は初めて聞いたのですがこの「テヅルモヅル」に関してすごいことが起こったそうなので詳しく皆さんと情報を共有したいと思います。
まず、写真を見てもらうと植物のように見えますが「テヅルモヅル」とは深海生物と言うことです。
そして、今回、なんと昭和天皇が採集された深海生物の標本が「新種」として登録されることが発表されたそうです。
そして、調べてみると「テヅルモヅル」の新種が発見されるのは国内で106年ぶりだということです。
一世紀ぶりの新種登録、それも昭和天皇が採集した標本が新種に登録されるというのは私たちにとっても嬉しいことですね。
その「新種」とする論文を発表したのが東京大学の岡西政典さんだそうです。
この方は10年以上新種を探し続ける「新種ハンター」と言われているそうですね。
新種「テヅルモヅル」とは?生態や分類は?

引用:http://natural-history.main.jp/Tree_of_life/Eukaryote/Opisthokonta/Senotedsurumodsuru/Senotedsurumodsuru.html
この「テヅルモヅル」を研究している人は世界にもごくわずかしかいないそうです。
本当に植物のように見えますよね!
しかし、れっきとした生物であり分類上はウニやナマコ、ヒトデなどと同じで「棘皮(きょくひ)動物」に入るクモヒトデの仲間だそうです。
生息地域は世界中の潮の流れがよい海底に分布しているそうです。
その見た目から動かないと思いますが、見た目通り移動することは少ないそうです。
しかし、危険を察知した時などは網のように広がる腕で海底を移動していると考えられているそうですね。
研究者が少ないということもあってか、「テヅルモヅル」についてはほとんど生態がわかっていません。
繁殖方法や何を主食にしているかすらわかっていない謎の多い深海生物だということです。
これについて、岡西政典さんはこのように話していました。
「心臓もなく、脳もなく、肛門もありません。血管に似たような構造を持ちますが、私たちのイメージする生物とはずいぶん違う。腕は5本で、そこから細かく枝分かれします。この腕を使い、プランクトンなどを捕食しているようですが……」
研究の第一人者ですら、曖昧なことしかわかっていない見たいですね。
新種「テヅルモヅル」とは?その研究方法は?

引用:http://blog.livedoor.jp/naitomea55/archives/2015-09-03.html
岡西政典さんがまず取り組んだことは、「テヅルモヅル」の標本を世界中から集めることだったそうです。
岡西政典さん自身も自分だけで収集するのは困難だと判断したのではないでしょうか。
20日間船で「テヅルモヅル」を探し続けても1体も発見できないこともあったそうですからね。
その「テヅルモヅル」への熱心な志が伝わったのか、依頼して標本を送ってもらったり貸し出しの依頼をするだけでなく、テヅルモヅルの研究で有名な海外の研究者から病気で研究が続けられないという理由でその方が所蔵していた標本や研究を託されたそうです。
研究者が少ないとはいえ、直々に研究を引き継いでくれと依頼されるというのはすごいことですよね。
しかし、標本を集めるのは準備段階の一つであり研究はここから始まります。
一つ一つ顕微鏡などで細かく見ていくそうです。
気が遠くなる作業ですよね。
昭和天皇が採取した「新種」も手順は上記と同じだったそうです。
顕微鏡などで細かい部分まで調べて、他の文献などと照合しながら違う部分を探していき、違うところがあれば論文で発表する。
そして、新種となった昭和天皇が採集された「テヅルモヅル」は「トゲツルボソテヅルモヅル」と言う和名になったそうです。
しかし、ここまでの道のりは順調ではなかったようですね。
調べてみると、研究者の大変さが少しわかりました。
岡西さんの研究は世界でもごくわずかしかいない「テヅルモヅル」の研究者です。
研究者として問題となるのは研究費ですよね。
特に、岡西さんは世界中から「テヅルモヅル」の標本を集めています。
それだけでなく、学会や調査など交通費、運送費、DNA分析用の試薬代で年間70万円~80万円かかるそうです。
これらの費用は国にそのテーマが採択されると科学研究費として支給されるそうですが、採択されない時もあったそうです。
その時は、全て自腹と言うことですよね。
費用の問題だけでなく、研究者と言うのは他にも問題があるようです。
それは、所属期限です。
以前は、一つの大学や研究機関で「期限なし」で研究できるというところも少なくなかったそうです。
しかし、最近は一つの場所に2年~3年と言う「期限あり」のポストが増えているそうです。
実際に、岡西さんも大学を卒業後は京都大学や茨城大学、そして今の東京大学と2年~3年務めて移動しているそうです。
研究と言うのは、長年同じ物を研究しますよね。
数年ごとに研究環境を変えられてはたまったもんじゃないと私はおもいます。
岡西さんはそんな現状から様々なことにチャレンジしています。
2012年には「チームてづるもづる」と言うサイトを開設して、研究の様々なことをブログで公開しています。
まず、テヅルモヅルについて知ってもらうことから始めなければならなかったということですね。
それだけでなく、2014年には日本で初の科学者向けのクラウドファンディングサイト「academist」の立ち上げにも関わったそうです。
クラウドファンディングとは、簡単に言うと出資ができる言うことですね。
例えば、私が「時速60キロで走る自転車を開発したい」と思っていたとします。
それをサイトでプレゼンして共感してくれる人を募ります。
共感してくれた人は、この研究へ出資でき、その出資者に報酬として完成した自転車を販売金額よりも割安で購入できる権利や優先的に購入できるなどの様々な報酬がもらえるという仕組みです。

引用:https://giwiz-tpc.c.yimg.jp/q/iwiz-tpc/images/story/2018/5/12/1526090573_1526090565_32313947_1916150251793694_4055229531571617792_n.jpg
このクラウドファンディングは予想がに成功して、目標金額の40万円をはるかに超えて、1か月で60万円集まったそうです。
インターネットが普及して、今まで銀行の融資など大規模でやらなければならなかったことがパソコンで誰でも簡単に融資が受けられるようななったというのは凄いことですよね。
私なりに「テヅルモヅル」について調べてみたのですが、ほんとに情報が少ない生物で驚きました。
あの何でも乗っているwikiさんですら、ほとんど情報がありませんね。
それでは、簡単に「テヅルモヅル」に関してまとめていきたいと思います。
新種「テヅルモヅル」とは?なに?植物?生物?

引用:https://www.sankei.com/region/news/180319/rgn1803190053-n1.html
写真だけ見ると、植物のように見える「テヅルモヅル」ですが、れっきとした生物です。
漢字では「手蔓藻蔓」と表記します。
「テヅルモヅル」はこのような姿をしていますが、分類上はツルクモヒトデと言うヒトデの仲間だそうです。
ヒトデと言えば5本の腕が印象的ですが、まさしく「テヅルモヅル」も5本の腕を駆使します。
この「テヅルモヅル」は世界中に分布しており英語では「Basket Fish」と呼ばれています。
そのかごの網目のような外見からこの名前が付いたのではないでしょうか。
新種「テヅルモヅル」とは?生態は?
上記でも紹介しましたが、「テヅルモヅル」は浅瀬の岩場から1000mの深海までに生息している生物です。
世界中に生息しており、主に潮の流れが良いところに生息しているようです。
生態系はほとんど解明されていませんが、研究の結果では海中の「デトリタス」と言う生物の遺体の破片や排泄物などを捕食していると言われています。
まだまだ謎の多い生物であり、研究者も世界中にごくわずかにしかいないため、全容解明は当分先かもしれませんね。
新種「テヅルモヅル」とは?漁師の敵?なぜ?理由は?原因は?
深海に生息している生物ですので、私たちにはあまり接点がないように思いますが、調べてみると意外と私たちの生活も脅かされる可能性があることがわかりました。
なぜかと言うと、海底に生息している「テヅルモヅル」は漁師さんの底引き網に引っかかることが良くあるそうです。
「テヅルモヅル」は習性上、網に引っ掛かると絡みつく性質があるそうです。
網に取り付くということは漁師さんは、わざわざ引っかかった「テヅルモヅル」を取り除く作業を行わなければなりません。
とても手間がかかる作業のため、漁師さんからは忌み嫌われる存在だそうです。
新種「テヅルモヅル」とは?生物の分類は?

引用:https://kotobank.jp
見た目からは想像がつきませんが、「テヅルモヅル」はツルクモヒトデに属するヒトデの仲間と言うことですね。
さらに、このツルクモヒトデ目にはキヌガサモヅル科、ユウレイモヅル科、タコクモヒトデ科、テヅルモヅル科と言う4種類に分類できます。
現在はツルクモヒトデとして200種類以上の種類が確認されているそうです。
しかし、未だにすべてが解明できたわけではなく一種類だと思われていたものが、実は2種類以上に分類されるということも中にはあるそうです。
このように、「テヅルモヅル」はまだまだ解明されていない部分が多い生物ですので、今後新しい発見が発表されるのがとても楽しみですね。
「海の掃除屋」とも呼ばれている「テヅルモヅル」ですので研究が進めば環境問題の食い止めにもつながるかもしれませんね。
今後の研究成果にも注目したいところです。
最後まで見ていただきありがとうございました。