平成21年に日本人研究者が発見した日本カビ(カンジダ・アウリス)と言う新種の真菌(カビ)を皆さんはご存知でしょうか。
その日本カビが世界規模で感染が拡大しているということで話題となっています。
恐ろしいのが、この日本カビに抵抗力の弱い入院患者などに感染すると死亡するケースもあるということで注意を呼び掛けているそうです。
そんな日本カビとは一体なんなのでしょうか。
そこで今回は日本カビについて皆さんと共有したいと思います。
日本カビ(カンジダ・アウリス)とは?何?

引用:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1507412479/
日本カビとは別名カンジダ・アウリスと呼ばれる真菌の一種です。
このカビは2009年に70歳のとある女性患者の耳だけから発見されたそうです。
それを発見したのは帝京大大学院医学研究科の槇村浩一教授です。
当初の日本カビは病原性はそれほど高くなく抗菌薬に対する耐性も示さなかったそうです。
簡単に言うと、それほど恐れる病原菌ではなかったということです。
しかし、韓国やインド、パキスタンなど世界中で同じカビが発見されて、ついに2011年には韓国の患者さんが敗血症で死亡する事例が発生してしまいました。
米国では昨年7例だったものが今年すでに122例の感染が報告されているそうです。
その中には死亡した方々もいるとのことです。
英国では200例以上の感染者が確認されており、更に増える見込みだと言われています。
日本カビと言われていることから日本から広がったと勘違いされがちですが、もともと世界中に同じ種類のカビがあったと専門家は見ています。
また、このカビに感染する恐ろしい理由の一つが治療薬が効かないことがあるということだということです。
米国では1番効くと言われていた治療薬が9割以上耐性をもってしまったということです。
米国だけでなく韓国やインドなどでもすでに耐性化した日本カビが出始めているそうです。
日本では治療薬が効かない日本カビはまだ発見されていないそうですが、米国のように全く聞かない日本カビが出てきてもおかしくないかもしれません。
日本カビ(カンジダ・アウリス)は何故耐性を持つのか!なぜ?理由は?原因は?

引用:http://kusuri-jouhou.com/microbe/mechanism.html
いくつか病原菌に耐性ができてしまう理由があるそうです。
まず、薬の「不活性化」が原因になります。
薬は私たちの身体に入ったら時間とともに体外へ排泄されていきます。
腎臓の機能から尿として排出されたり、肝臓の代謝酵素が薬の形を変化させたりすることからです。
これと同じようなことが細菌でも起こるということです。
細菌が抗菌薬を無効かしてしまう酵素を作ってしまうことを「薬剤の不活性化」と言います。
二つ目として「薬剤作用点の変異」が挙げられます。
例えば指紋認証システムを使うとき、本人の指であれば当然認識してくれます。しかし、他人の指は指紋が違うために認識することができません。
そこで、病原菌は自分の指を全く別の新しい指として作り変えます。すると、指紋認証システムは認識しなくなります。新しく作られた指は指紋が元の指と違うため、当然ながら認識してくれません。
薬は「鍵と鍵穴の関係」とよく言われます。これは、今回の指紋認証システムと同じように、ピッタリと合わなければ認識してくれないことを意味しています。
そのため、それまで抗菌薬が作用していた病原菌の部位の構造が変化すれば、「鍵と鍵穴」のようにピッタリと合うことがなります。つまり、抗菌薬が作用できなくなります。
引用:http://kusuri-jouhou.com/microbe/mechanism.html
多くのウイルスが上記のように自分の構造を変化させることができるそうです。
この構造変化を研究して解明されれば逆に再生治療などに応用できそうですね。
さらに、薬剤を排出するポンプを獲得することがあるそうです。
簡単に言うと、薬剤を細胞の外へ排出する機構です。
一つの薬を排出するだけなら他の同じような成分の薬を使用すれば病原菌を殺すことができます。
しかし、その排出機能がたくさんついている多剤排出ポンプと言われているものに関してはどの薬も効果がないという状況になってしまうということです。
このように耐性がついてしまう理由と言うのは様々あり、ほかにも解明されていないことがあるかもしれません。
耐性に対抗してさらなる薬を開発し続けなければならないのでしょうか。
薬の研究にも注目したいですが、病原菌の解明研究などにも注目したいと思います。
日本カビ(カンジダ・アウリス)の感染者の特徴!理由!原因!場所!予防法!
調べてみると、基本的に日本カビに感染する人の多くは入院患者などで治療を受けている人が多いそうです。
そのため、通常の生活を送っている分にはほとんど問題はないと感じます。
現在までに日本カビの感染が確認されている国を以下にまとめたいと思います。
・日本
・南アフリカ
・ベネズエラ
・パキスタン
・コロンビア
・ケニア
・クウェート
・イスラエル
・インド
・イギリス
・韓国
・アメリカ
感染者が出ている国を見てみると先進国も含まれていますが、医療施設の整っていない清潔に保たれていないような国が多くあります。
今後、感染者が増加すると予想されています。
もし、医療設備がしっかりしていない国で感染者が拡大したらと考えると恐ろしい病原体ですね。
一刻も早く拡大を抑える手段を講じてほしいと思います。
日本カビ(カンジダ・アウリス)の感染経路や感染の仕方は?いつ?どこで?場所は?
そこで気になるのが日本カビがいつ、どこで、どんな場所で感染するのかと言うことです。
調べましたが、現在のところ具体的にどこから感染するのかは判明していないそうです。
病院の中で感染している可能性が高いのはわかっているそうですが、器具などに付着しているのか、人から人に移るものなのか、空気感染なのかほとんど解明されていないそうです。
これに関しては今後の研究結果を見てみるしかわかりませんので、気になる方はぜひ注目しておいてください。
日本カビ(カンジダ・アウリス)の治療方法はある?なに?薬は?対策は?
現在の日本カビは「エキノカンジン」と言う抗真菌剤で殺すことができるそうですが、この薬から耐性が生まれて強い菌に変化しており、効かなくなっている日本カビも出てきているようです。
薬の研究に多くの時間と労力、資金などがかかります。
また、新しく開発した薬などは市場に出回るまでに数々の工程があるため、すぐに人に使用することはできません。
そのため、日本カビが薬への耐性を持ってしまい、新しい薬が必要だとしても導入までには何年もかかってしまうということです。
そのため、まずどこから感染しているのかと言う感染源をしっかりと把握して予防することが大事です。
病院などは早急に日本カビの感染方法や感染源などを特定してほしいです。
感染原因がわかっていないため、具体的な対策は講じることができませんが、ほとんどの場合で入院患者に感染していることを考えると、健康で免疫力の高い人には感染しにくいということがわかります。
そのため、対策としては健康でいることです。
日本カビ(カンジダ・アウリス)の大流行!世界では?理由は?原因は?
この日本カビは世界的に脅威となると警告されています。
その理由が薬への耐性が強いということや病院などの医療現場で感染が広がっていることです。
また、感染原因が特定できていないというのも一つの理由かもしれません。
また、感染している多くが入院患者と言うこともあり、弱った体に感染して死亡率が上昇していることも危険だとされている原因の一つです。
海外の耐性がついた日本カビがいつ日本に来てもおかしくありません。
原因がわかっていないため対策の取りようもないので、速やかに原因追及を行ってほしいと思います。
日本カビ(カンジダ・アウリス)の症状とは?種類は?
調べてみると通常のカンジダは健康であれば発症しないそうです。
しかし、ストレスや健康不足など身体が弱っている場合は症状が現れるようです。
<腔カンジダ症>
・苦みを感じる
・角が切れる
・飲食時に舌がヒリヒリ痛む
・腔の粘膜が赤くなる
・腔に白いコケのようなものができる
<皮膚カンジダ症>
・紅斑
・かゆみ
・小膿疱
<性器カンジダ症>
・膣口や亀頭が赤く炎症する
・おりものの異常
・強いかゆみ
カンジダはこのような症状が主ですが、今回の日本カビ(カンジダ・アウリス)に関してはどのような症状でどのように死に至るのかなども具体的にはわかっていないそうです。
日本カビ(カンジダ・アウリス)の死亡率や致死率は?どれくらい?数は?人数は?
調べによると感染者のおよそ60%が死亡しているという噂もあります。
アメリカでは7人に4人が死亡したということもあります。
しかし、症例が少なかったことで数字は正確なものかはわかりません。
日本では、耐性がついている日本カビが発見されていないことから早期の発見なら薬で対処できるようです。
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