臓器移植に関して…臓器提供者の家族の思いとは?今後…

引用:https://the-liberty.com/itemimg/1858_l.jpg
世の中には、臓器提供者を待ってる患者がたくさんいます。
その人たちは現代の技術において、臓器移植によってしか完治できません。
その中でも子供の臓器移植には、臓器を提供してもらう側も提供する側(ドナー)にも大きなハードルがあります。
今回は「脳死」と宣告された子供の臓器提供を決意した夫婦から現在の臓器移植について触れたいと思います。
臓器移植のために海外へ…日本での治療の壁とはいったい?
大阪府に暮らす森本隆氏(55)と陽子氏(50)の息子の康輝君は7歳の時に「拡張型心筋症」という心臓の筋肉の収縮能力が低下する病にかかりました。
当時は「バチスタ手術」と言われる収縮能力が無くなった部分を切除する技術がなかったため、心臓移植という選択肢しかなかったと思います。
森本氏は診断の3年後の2004年に心臓移植を受けるためにドイツへ行きます。
なぜ、ドイツへ行ったかというと2004年には日本の臓器移植法では15歳未満の子供の臓器の提供者は認めていないため、康輝君に合う心臓がなかったからです。
臓器移植では海外のほうが一歩先を進んでいる!
日本では臓器移植の実例が少なく法律でも厳しく規制されているため、多くの臓器移植を必要とする患者は海外に行っているのが現実です。
康輝君はドイツへいってすぐに容体が悪化して「脳死」と判定されてしまいました。
その時に担当した医師はこのように話しています。
「あと2〜3カ月早ければ助かる見込みがあった」
康輝君は移植患者ではなく提供者になりました。
私も詳しくは知りませんが、臓器移植待ちの患者さんは適合者が見つかる前になくなっているケースも多いそうです。
なぜかと言うと、完全な順番待ちと言うことだからだそうです。
わかりやすく言うと、ラーメン屋に並んでいる行列のようなものです。
待ち続けなければならないということです。
臓器を待っていた患者が一転、「脳死」と判定されて臓器提供者へ…両親の思いは?
やっと治せると思っていた矢先の出来事だったと思います。
自分の息子が「脳死」と判定されて、すぐに臓器提供を承諾した両親はとてもすごいと思います。
話によると「脳死」と判定されて臓器提供の話と言うのは比較的すぐに行われるそうです。
なぜなら臓器が壊死しないように迅速に処置しなければならないからです。
しかし、心の整理もつかない状況で判断することはとても苦しいことだと思います。
しかし、森本氏は以前から息子さんと臓器提供について話していたそうです。
「むしろ(息子の臓器を)提供しなかったら後悔しているんじゃないか、と。(生前に)息子とそういう話ができていたから、すぐに提供できた。そういう会話って、大切だなあと感じますね」
私がもし森本氏の立場だったら臓器提供に承諾していたかわかりません。
自分の息子の身体のものを取り出されることに対して、冷静でいられる自身がありません。
両親の強さをここで感じました。
臓器移植法改正に伴い子供の移植年齢の幅が広がる

引用:http://www.kumamoto-med.jrc.or.jp/img/drcross/2010/topic/topic2-2.png
康輝君が臓器移植を求めていた時は、15歳未満での臓器移植はできませんでした。
しかし、2010年に臓器移植法が改正されて、15歳未満であったとしても家族の承諾があれば「脳死」での臓器提供が可能になりました。
これにより、日本ではできなかった子供に対しての臓器移植も可能になりました。
しかし、日本臓器移植ネットワーク(JOT)の調査によると、2016年に「脳死」と判定されたドナーの総数は64人でその中で18歳未満はわずか3人しかいなかったそうです。
実際に15歳未満で心臓移植を待っている患者は今年の6月時点で39人いるそうです。
15歳未満で39人と言うことは、15歳以上も合わせるともっといるということです。
こればかりは、適合するドナーを待ち続けるしか治す方法はないのでしょうか。
現在待っている39人目の人は一体いつ移植ができるのでしょうか。
それまで、いつ寿命が来るか不安な日々を過ごさなくてはならないのでしょうか。
臓器移植患者が欧米へ行くわけとは?移植の盛んな欧米!
康輝君をドイツで受け入れたのは南和友医師でした。南氏はドイツのノルトライン・ウエストファーレン州、バードユーンハウゼン心臓病センターで副所長を務めていました。
南氏はそこで1500例以上の移植手術に関わっていると言います。
なぜ、欧米で移植手術が盛んにおこなわれているかと言うと、一つに提供者が多いというのもあると思います。
日本移植学会の調査によると、100万人当たりの臓器提供者は2012年に日本では0.9人だったのに対してドイツでは12.8人、そして米国が26人だったそうです。
数字を見る限り、米国で盛んにおこなわれているわけがわかったと思います。
それだけ、「脳死」の判定をされている人が多いいと言うことにもなるかもしれません。
米国が「銃社会」と呼ばれる由縁でもあるのでしょうか。
臓器移植について南和友医師はこのように考えているようです。
日本では臓器移植がなかなか浸透しない。その背景には、脳死判定医の不足、病院の負担、医療機関の連携不足などがあると南医師は指摘する。
「死がどのように定義されるかなんですね。心電図が『タッ、タッ、タッ、ピー』って。日本ではそれ(心停止)を死だと思っているんです。だけど、人の死には脳死というものがあって、世界中ではそれを人の死だと認識しているわけですよ。(日本でも)一般の方々に、脳死があるんだよ、と認識してもらうことが必要だと思います」
引用:https://news.yahoo.co.jp/feature/723
これには驚きましたが、生前にドナーカードで臓器提供の意思を示していたとしても、本人が亡くなり、家族が反対して臓器提供が行われなかった実例があるそうです。
これを聞くと、本人の意思が反映されないため、ドナーカードと言う制度に問題が出てきてしまいます。
海外での移植!大きなハードルや問題が…
移植が多くなるほど色々な問題が生じます。
その一つが「臓器売買」です。
臓器は高く売れるということで、それを商売にする者たちが現れるということです。
実際に、海外では「臓器売買」が行われている実態があるそうです。
また、これは個人的な噂なのですが、私の父の知り合いで、臓器を担保に資金を借りてホテルを経営している人もいるそうです。
2008年に国際移植学会が渡航移植が臓器売買につながる可能性があるとしてこのような発表をしました。
「自国民の臓器移植は自国で行うように」
このイスタンブール宣言によって海外の希望者を受け入れていたドイツなどヨーロッパはほとんどの受け入れを停止しました。
現在でも米国とカナダは受け入れていますが、費用が莫大にかかります。
ドイツでは約4000万円とされていましたが、米国では2億から3億とも言われています。
命には代えられませんが、一般の国民がこれだけの資金を用意できますか?
このように渡航移植には莫大なお金がかかるというのが問題です。
米国移植待機者の現状とは?順番待ちではなかった?

引用:https://parts.news-postseven.com/picture/2017/07/P11ishoku.jpg
南氏は渡航移植者と米国で待っている自国民の待機者についてもこのように語っています。
「米国でも臓器が余っていれば話は別ですが、100人いる待機者のうち30人しか移植を受けられないわけです。そして、本当なら2年とか3年とか待たなくちゃいけないのに、(海外からの渡航者は巨額の)お金を出しているから、待機の順番を飛び越すわけ。すると、その間に米国人の待機者が死んでしまう」
引用:https://news.yahoo.co.jp/feature/723
私はてっきり移植手術は順番待ちだと思っていました。
しかし、現実はそうではなく渡航移植者は大金を出しているため、順番待ちを抜かすことができるようです。
ディズニーランドでいうと、私たちが並んでいる横を抜けていくファストパスチケットのようなことです。
このことからも移植手術の料金が高騰している理由だと私は思います。
「一番多くお金を出した人から早く移植できる」
と言うことなのでしょうか。
日本の臓器提供者が年々増加傾向へ!目標設定
日本臓器移植ネットワークの門田理事長は記者会見で、今後の臓器提供の目標を設定しました。
「脳死や心停止による臓器提供件数を5年で現在の10倍となる年間1000件を目指して、”意思表示カード”に同期提供の可否を記入している人が少ないことから、臓器移植に関しての国民の理解を広げていく取り組みをする。」
”意思表示カード”とは簡単に言うと「保険証」の裏に記載されている。
自身に何かあった場合に臓器を提供するかの確認項目です。
皆さんも一度確認して記入しておきましょう。
このサイトは移植を決意した家族ではなく、移植を受けた人たちの思いが書かれているサイトです。
ぜひ見てみてください。
私も少し読ませていただきましたが、移植体験者の辛い思いや提供者への感謝が一文字一文字から伝わってきました。
臓器移植の拒絶反応などによる問題点や提供者の記憶が…

引用:https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41JPN3V3QEL._SX321_BO1,204,203,200_.jpg
法律が改正されたことで、子供にも臓器移植が可能になりましたが、子供のドナー提供者はなかなか現れず以前と同様の問題となっています。
また、子供の「脳死」に関しては何点か問題があるので以下に記載いたします。
・小児の脳は成人と異なり回復力が強く脳死判定が難しく、2回義務づけられている脳死判定の間隔を24時間(成人では6時間)としているが、この点につては小児脳神経専門医の中でもコンセンサスは得られていないこと。
・現在、社会現象化した小児への虐待の結果としての脳死が含まれている可能性があること。
・子どもは両親を中心とする家族の結びつきが強く、子どもの脳死のみならず死亡を容認できないことが多いこと。
引用:http://www.jphrc.net
よく奇跡的回復と言われていますが、まさに子供の生命力とは大人以上のものがあります。
「脳死」と言う判定は、その人の人生を左右するものです。
子供の回復力に賭けたいという親もいらっしゃると思います。
このようなことから子供に対する判定は大人以上に時間がかかります。
また、「脳死」と判定できる医者が少ないというのも問題だと私は思います。
臓器移植後の拒絶反応のメカニズムとはいったい?
簡単に言うと、自身の細胞と違う細胞を異物と判断することで身体が拒絶反応を起こす現象です。
稀にほとんど拒絶反応がない患者さんもいるようですが、基本的に臓器移植をした後は薬で拒絶反応を抑え込んでいます。
拒絶反応には大きく分けて2つあると私は考えています。
一つは臓器移植での拒絶反応
もう一つは輸血での拒絶反応
<臓器移植>
こちらは、リンパ球が自身の細胞と提供者の細胞を見分けており、異物と判断して破壊しようとすることで起こっています。
<輸血>
体内に入った他人のリンパ球が血液をもらっている人の細胞を敵とみなして攻撃するために起こっています。
人間の身体の構造から入ってきたものはいったんは異物として処理しようとするということですね。
場合によっては拒絶反応が大きく死に至るケースもあるそうです。
私は輸血などもしたことがないのでわかりませんが、知人に話を聞くと、輸血された直前は身体かかなりダルくなるそうです。
臓器移植で人格や性格が変化?記憶移植もあるのか?
この件に関しては、医療漫画などでも良く話でありますが、臓器移植を行うと、まれに提供者の趣味や習慣、性格や癖などが移植者に移ったかのように感じることがあるそうです。
特に腎臓や心臓移植ではこの事例が報告されているそうです。
基本的には移植された患者は提供者の情報を知ることは固く禁じられています。
稀に、公開していることもあるそうですが、この現象は科学的には立証されていません。
記憶移転に関しては多くの事例があります。
人種差別団体KKK(クー・クラックス・クラン)の幹部グランド・ドラゴンが腎臓移植手術を受けた。手術後に考え方が一変し黒人に同情的になり、全国黒人地位向上協会に加わった。腎臓提供者は黒人だった事が判明する。
引用:臓器移植で人格が変わる – スピリチュアル野郎の超常的日常 – Yahoo!ブログ
最近も話題になりましたが、白人至上主義団体に所属していた人が人種にとらわれなくなったということです。
アメリカはミシガン州郊外に住む、グレンダとデビットは仲の良い夫婦でした。しかし、それでも時には、口げんか程度のことはあり、その仲直りのための暗号のような言葉が『コパスティック(copacetic)』でした。
しかし、突然の不幸が訪れた。1989年のある日。夫婦は、共通の趣味であるドライブを楽しんでいた。二人の車は、センターラインを越えてきたトラックと正面衝突した。グレンダは重傷であったが、なんとか助かった。しかし、デビッドは死んでしまった。
の二年後のことである。グレンダは、デビッドの心臓が移植されたある青年と会うことが出来た。南米から移住してきた青年、カルロスであった。彼は、まだ母国語であるスペイン語しか話せなかった。そこで彼の母親が、通訳を行った。カルロスは移植された心臓の上に、グレンダの手を導いた。するとグレンダの口からは、ふと思い出の言葉が口をついて出た。『コパスティック』
出典記憶転移の実例紹介・・・・!!|殺される女5号のブログ
出典Copacetic! – 東箕輪ブログ
出典運命と宿命 (1)臓器は「運命」の一部である
これはまさに記憶が移っている何よりの証拠です。
アメリカ人でも使わないような言葉をスペイン語しか話せない少年が知っているはずがありません。
科学では証明できていませんが、実際に起こっています。
今後、これらについて解明されていくのが楽しみです。
このほかにもまだまだ多くの実例があります。
そのため、記憶移転と言うのはあると私は思っています。
臓器移植に反対?!現在と今後
世の中には何のことでも賛成派と反対派がいると思います。
臓器移植に関しては、それが顕著に表れていると私は思っています。
まず、「脳死」と判定されたからと言って、その人が「死んだ」ことにはなりません。
「死亡」とは息をしなくなることですので、息をしているため正式に死んだことには実際になっていません。
そのため、最後まで生きさせてあげたいと思う人々もいるということです。
また、「脳死」と判定されて臓器移植に同意するのは家族ですので、判断した家族は自分自身を責めてしまうこともあるそうです。
反対する人は死者の身体に刃物を入れたくない、きれいな体のままにしてあげたいという思いもあるそうです。
この件については賛成する人も反対する人の意見も合っていると思います。
ちなみに私は賛成派です。
自分の命一つで臓器分の人間が助かるのなら提供したいと思います。
まとめ
臓器移植に関してはまだまだ浸透していないように私は思います。
これにより、助かる命が助からないケースも起きていると私は考えています。
また、日本での臓器移植の事例が少なすぎます。
医療薬に関しても米国では流通していても日本では流通していないことなど良く聞くことがあります。
日本の医療技術は他の国に比べてもトップクラスだと私は思っています。
しかし、新しいものの導入が遅すぎることは欠点かもしれません。
もっと身長さとスピード感をもって最先端の医療を導入してほしいです。
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