トランプ氏側近のバノン氏が解任される政権への影響とは?バロン氏とは一体誰?

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トランプ政権下のホワイトハウスで大統領首席戦略官・上級顧問を務めていた「裏の大統領」「影の大統領」「裏の最高権力」などと呼ばれていたスティーブ・バノン氏が18日に辞任したことが発表されました。
バノン氏はトランプ氏を大統領選では選対本部責任者として当選させたいわばトランプ氏を大統領にした張本人と言ってよいのではないでしょうか。
トランプ氏の強気な発言などは、保守強硬派の政策を推進していた「黒幕」と言われていたバロン氏の影響ではないかと言われていましたが、その強引な手法から内部でも反発が絶えず、事実上の解任とみられています。
トランプ政権内部でもかなり混乱しているように思われており今後の政権運営にどのように影響が出るのでしょうか。
2月には国家安全保障担当大統領補佐官のフリン氏がロシアとの繋がりが噂されて辞任。
7月にはスパイサー大統領報道官が辞任。
プリーバス大統領首席補佐官が辞任。
スカラムチ広報部長が相次いで辞任しています。
上記の人物は全てトランプ大統領の側近と言ってもうよい人物で、相次ぐ辞任に政権内部が混乱しており、早期に収束させなければ国家にも影響しかねない事態だと私は思います。
ワシントン・ポスト紙によると、バノン氏の解任にはプリーバス氏の後任として着任したケリー主席補佐官の決断だと報道しています。
バノン氏とは一体どんな人物?トランプ氏を大統領にさせた立役者だった?「影の大統領」と言われた男

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バノン氏は、現在の役職につく前は、保守系のメディア「ブライトバート」を運営していました。
トランプ氏が大統領選を戦う選対本部の責任者として民主党のクリントン氏に対して形勢が不利だと言われていたが、それを勝利に導いた立役者です。
トランプ政権が発足してからは、首席戦略官・上級顧問を務めていましたが、辞任を表明しました。
この役職はトランプ氏が独自に作った役職のため、今後、後任が任命されるかはわかっていません。
「影の大統領」と言われていたバノン氏が辞めることで、トランプ氏は悪い方向に進むのか、また良い方向に進むのかは不透明ですが、死者が出るようなデモがあることから現在は非常に最悪な状態と言えるとわたしは思います。
バノン氏、上級顧問を辞任後はメディアに復帰か?トランプ氏に反旗を翻すのか?味方をするのか!
18日にトランプ大統領の側近中の側近であったバノン氏が辞任しました。
ブルームバーグ通信がバノン氏に今後のことを尋ねるとこのような説明をしました。
「私はホワイトハウスを去り、トランプ氏のために、彼の反対派に対する戦争を始める」
「トランプ氏のために議会やメディア、米国株式会社にいる同氏の敵に対する戦いを始める」
このように話して保守系メディアの「ブライトバート」に復帰する意向を示しています。
また、バノン氏はトランプ大統領の逆鱗に触れたとして事実上の解任と噂されていたことについて、「辞任は自発的」と主張してトランプ政権が発足して1年をめどにしたとしています。
しかし、北朝鮮がグアム周辺に弾道ミサイルを発射するという発表についてのバロン氏の発言にトランプ氏が激怒したことは事実であり、それが、バノン氏の辞任につながったと私は考えています。
バノン氏の経歴がすごい!異色の経歴と呼べるバノン氏とは…
トランプ政権下で解任辞任が続いている中、トランプ氏を大統領にした影の立役者であるスティーブ・バノン首席戦略官(63)が辞任することが正式に決定しました。
バノン氏の辞任について、サラ・ハッカビー・サンダース大統領報道官はこのように発言しています。
「ジョン・ケリー首席補佐官とスティ―ブ・バノンは本日、お互いに今日がスティーブの最終日になると合意した」
「彼の尽力に感謝する」
バノン氏は辞任後、自身が創設したメディアに復帰することになっています。
また、バノン氏の辞任について調べていたところとんでもない経歴を持っていることがわかったので紹介します。
バノン氏は軍人として海軍の士官として退任すると投資銀行へ勤めてハリウッド・プロデューサーとしてハリウッド映画に携わっています。
その後、右派メディアである「ブライトバート」を設立して、トランプ氏が劇的に勝利したアメリカ大統領選では選対本部責任者としてトランプ氏を強力に支援していました。
トランプ氏のアメリカ大統領選でのSNS活用法はもしかすると。バノン氏の助言があったのかもしれません。
メディアの経営者と言うこともあり、発信・PR能力はトップクラスと言えると私は思います。
バノン氏は強硬派として知られており、役職当時もトランプ氏の長女イバンカ氏やその夫のジャレッド・クシュナー氏など穏健派の幹部たちと対立を繰り返していたようです。
北朝鮮の発言や白人至上主義での発言だけではなく、トランプ氏がかわいがっている長女のイバンカ氏たちと対立していたことも今回の辞任に繋がっていると私は頭の片隅で思っていました。
白人至上主義に肩入れするトランプ氏に対して相次いで離反する企業!それに対して、トランプ氏は解散を表明!

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離反者が続出しているトランプ政権ですが、一番の修羅場と化しているのが今回の白人至上主義を擁護するような発言です。
米バージニア州のシャーロッツビルでの白人至上主義団体と反対派の暴動について、トランプ氏が「双方に非がある」と発言したことが問題となっています。
これならの発言から多くの企業トップがトランプ政権下を離れたことで、トランプ氏は製造業評議会と戦略・政策フォーラムを解散しました。
このことから、トランプ氏と経営者らが真っ二つに分断されたことになります。
国家運営には経営者らの協力が必須だと私は考えています。
なぜなら会社を運営している人たちは膨大な税金を国に収めているからです。
それらの経営陣にソッポを向かれてしまっては、国家運営もままならなくなるのではないでしょうか。
また、トランプ氏を激怒させたシャーロッツビル衝突のニューヨークタイムズ紙の取材でこのように話していました。
「何もかも人種差別だと言いたがっている」
「もっとやれ、もっと銅像を引き倒せ。革命が来ると言え。どんどんやってほしい」
とても挑発的な発言をしています。
人種差別を容認している人の発言ですね。
以前からバノン氏は白人至上主義として知られていました。
これまでにトランプ政権で辞めた人物はホワイトハウスではとても重要な役職?揺らぐトランプ政権

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上記でも紹介しましたが、これまでに多くの人物がトランプ政権を去っていきました。
色々な思いがあったと思いますが、一つはやはりトランプ氏の言動や行動によるところなのではと私は思います。
少しでも反対意見を言おうものなら解任させるトランプ氏はやはり大統領としての器がないのではと私は感じます。
下記に解任または辞任した方々を記載いたします。
・2月14日 マイケル・フリン補佐官(国家安全保障問題担当)

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・5月30日 マイク・ダブキ広報部長
・7月21日 ショーン・スパイサー報道官

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・7月28日 ラインス・プリーバス首席補佐官

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・7月31日 アンソニー・スカラムッチ広報部長

引用:http://s2.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20170117&t=2&i=1168994161&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXMPED0G0KE
・8月18日 スティーブ・バノン首席戦略官

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約半年の間にこれだけの身内が辞めていくことは以上です。
それだけ、トランプ政権に歪みが生じているということです。
いつ崩れてもおかしくない状態だと私は考えています。
NHKでも取り上げられるバノン氏「黒幕」伝説は本当か!ナンバー2ではなくナンバー1だった?

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多くのメディアでトランプ大統領を陰から操っていた「黒幕」はバノン氏だと報道していました。
バロン氏は、中東・アフリカ7か国の移民を規制する大統領令に関わっていた人物として、当初注目を浴びました。
それから、マイケル・フリン国家安全保障担当大統領補佐官が辞任して以降、ホワイトハウスでのバノン氏の存在は大きくなっていたと考えられます。
バノン氏の正体とはいったい?
なぜ、トランプ氏がアメリカ大統領選で劇的な勝利をおさめられたかというと、バノン氏の考えとトランプ氏の考えが一致して、バノン氏が陰から支えたからと言われています。
また、ここまでトランプ氏が右翼に傾いた思想になったかと言うのもバノン氏に関係があるのではないでしょうか。
バノン氏は右派の思想「オルトライト」を揚げるメディア「ブライントバート」の代表でした。
女性やマイノリティ(有色人種)、移民に対しての差別を隠さずに発言して、エリートの既得者(エスタブリッシュメント)にも批判的でした。
それらの主張が貧しい白人労働者の支持を獲得することができたのではないでしょうか。
右翼思想へつながるバノン氏の過去を振り返る

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バノン氏も生まれた時から右翼思想だったわけではありません。
どこでそのような思想になったのか今回紐解いていきたいと思います。
バノン氏は1980年ごろにウォール街の証券会社大手ゴールドマン・サックスで勤務していました。
証券会社に勤務する前は海軍に約7年間在籍しており、そのあとハーバード大学ビジネススクールを卒業しています。
何も知識のないバノン氏がゴールドマン・サックスに入社できたのは、当時ゴールドマン・サックスCEOのジョン・ワインバーグ氏の息子ジュニア氏と親しくなったことでした。
入社した時にバノン氏が配属された部署はM&A部門でした。
そこではユダヤ系やアイルランド系などの優秀な人たちと仕事をしていたそうです。
ゴールドマン・サックスと言ったら世界でも3本の指に入る証券会社ですので、仕事ができない人を見つけるのが難しいかもしれません。
ゴールドマン・サックスをやめてからはハリウッドでプロデューサーをしていた時期があります。
ハリウッドに移り住んでから、そこでの人種差別的な風土に染まってしまったのではないでしょうか。
環境が人を変化させると言いますが、バノン氏はまさにその典型だったということです。
そこで、差別主義的な考え方を支持する国民が多くいることをしり、先のアメリカ大統領選の選挙戦略に取り入れたのではないでしょうか。
トランプ政権でのナンバー2はバノン氏ではなくイヴァンカ氏だった!

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バノン氏の弱点というのが「女性に失礼なところ」でした。それをイヴァンカ氏の前では絶対に出さなかったそうです。
それはトランプ氏のお気に入りであるイヴァンカ氏にばれることで自身のクビが飛ぶことをわかっていたからだと私は思います。
安倍首相はそういう意味では、大統領のナンバー2と交流を持ち、関係を築いたと言えるのではないでしょうか。
このおかげで、EUなどに対しては好戦的ですが、日本に対しては今のところ何も発言していません。
ちなみに、この安倍首相に便乗したのがカナダの首相であるジャスティン・トルドー氏であり、トランプ大統領と会談するときにイヴァンカ氏は同席しています。
このように、トランプ大統領の横にはいつもイヴァンカ氏がついていたということは、本当の意味でのナンバー2は長女のイヴァンカ氏であったのは事実であると私は思います。
バノン氏とクシュナー氏の関係とは?対立?

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二人の関係は仲が悪いというほかにありません。
それだけでなく、クシュナー氏はトランプ氏がとても大事にしている長女イヴァンカ氏の婿であり、将来は不動産王の跡を継ぐ候補者であるにも関わらず、これだけもめているのはある意味で怖いもの知らずだと思います。
ホワイトハウスで繰り広げられる様々な対立劇の大半は、党派的なイデオロギーの対立だったり人間関係のいざこざだったりする。クシュナー陣営が口にする不満を聞いていると、これは「家の格」にかかわる問題なのだという。米ワシントン・ポスト紙に匿名の情報筋が語ったところによると、トランプ氏の支持者の中核を焚き付けるようなバノン氏の強硬路線を追求することは、「お父さんがそれでは立派にみえなくなってしまう」ことだという。
一方で、政権内部および保守派メディアにいるバノン派は、クシュナー氏は隠れリベラルであり、大衆を味方につけたトランプ氏の歴史的な勝利を台無しにしていると主張する。その憤りはイヴァンカ氏、さらにゴールドマン・サックス出身の国家経済会議(NEC)委員長を務めるゲイリー・コーン氏や国家安全保障問題担当の副補佐官ディナ・パウエルにも向けられている。
引用:http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/041900131/
バノン派とクシュナー派は全く意見が異なるようです。よくこれで約1年間トランプ政権を支えられたと私は感心します。
日本もそうですが、とても幼稚な喧嘩をしていますね。
そんな対立をしている暇があったらほかにできることがあるのではないでしょうか。
バノン氏がNSCから外された訳、マクマスター氏の影響力が増す!

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こんなこともありました。
スティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問が米国家安全保障会議(NSC)のメンバーから外され再編成されました。
バノン氏が抜けてからはマクマスター大統領補佐官がNSCを取りまとめることによって、政権でのマクマスター氏の影響力が増加すると見られていました。
その当時からトランプ政権下では内部対立が激しく、複数の外交・安全保障当局者は北朝鮮やシリア、イランなどの喫急の課題の対応をまとめる体制ができていなかったようです。
バノン氏が辞任したことで、トランプ政権は団結するのでしょうか。
私はしないと思います。
トランプ氏の支持率を回復させたいホワイトハウスの人間とそれを何とも思っていないトランプ大統領とでは全く方針が違います。
トランプ氏は自身の発言の重みを理解していないことが問題です。
もっと、大統領として自身の発言で世界がどのようになってしまうのか考えてほしいと思います。
まとめ

引用:http://i.huffpost.com/gen/5174902/thumbs/o-TRUMP-570.jpg?5
今回は、アメリカ大統領の側近だったバノン氏について取り上げました。
バノン氏は辞任後、メディアへ復帰するということで、これからはトランプ氏を陰から支えるのではなく、表から支える形になります。
そう考えると、何か作戦があるのでしょうか。
何から何まで陰謀に見えてしまいます。
今後も米国では問題が続くと思いますが、トランプ氏には間違った行動だけは決して行わないでほしいと願っています。
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