最終討論会の薄い内容とは

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ついにアメリカ大統領選挙の最終討論会である第三回テレビ討論会が終了しました。第一回、第二回と内容のない討論会で終わったため、最後の討論会には少し期待していました。
しかし、結果はどうでしょう。
クリントン氏は笑顔で登場したのに対して、トランプ氏は険しい表情でした。そして、最初の討論を開始します。最初はどちらも冷静に討論しており、私は少し期待感がありました。
しかし、中盤から終盤になるにつれて両者の非難的発言が増え始め、トランプ氏に至っては「嫌な女」などの発言をクリントン氏が発言している最中に発するなど結果的に内容のない討論会に終わってしまいました。
討論会では、キーワードが与えられ、それに沿った発言をする内容になっています。
第一討論として、銃・妊娠・移民がキーワードになりました。その際の討論をご覧ください。
第二討論では、経済・TPP・大統領の資質について討論しました。こちらもまとめてあるのでご覧ください。
第三討論では、テロ対策・政府債務についてです。ご覧ください。
どうでしたか?
経済に興味がない方でもわかったと思いますが、深い内容が少なかったと思います。私の感想としては、一言でいうと「子供の言い合い」です。
このような討論会なら私でもできるのではないかと、見ていて思いました。
最終討論会まで来て、トランプ氏の「メキシコ国境に壁を作る」という発言を聞いた時、私は確信しました。
以前までは、パフォーマンスとして、暴言や失言を繰り返していたのかと思っていました。
しかし、最終討論会になっても、上記のような発言をしているという事は、戦略ですらなかったという事です。これまで成功して気づいてきた富も単に運が良かっただけなのではないかと不信感が湧いてきました。
せっかく買ってみたトランプ氏の本をどうしようか悩んでいます。
討論会を一夜明け、民主党と共和党の両陣営が応援演説を行う
第三回テレビ討論会が一夜明け、両陣営は選挙の激戦区で応援演説を行っています。クリントン氏側はオバマ大統領やミシェル氏、トランプ氏側は長女のイヴァンカ氏がそれぞれ演説をしています。

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オバマ氏は討論会前にも演説をしており、その際、前回の「投票に不正がある」と発言したトランプ氏の発言に対して、「泣き言を言うな」と強く主張しています。
私は大統領選に大敗した場合の理由にするために、このような発言をしたのだと思っています。このような発言を大統領選終了まで続けるのであれば、知名度は上がりますが、今後のビジネスに支障が出るのではないかと私は考えています。
また、オバマ大統領はこのようなことを最終討論会後の応援演説で発言しています。トランプ氏が討論会内で大統領選挙の結果を受け入れないかもしれないと言う発言を非常に「危険」と表現しています。
私もこの発言にはオバマ氏と同様に危険だと思いました。この発言はある意味で民主主義を批判していることになります。国を動かそうと言う人間がこの発言をしてしまうと、国そのものの根本を揺るがす恐れがあると私は思いました。
事実、討論会後の集会でのトランプ氏は「もし自分が勝てば」「結果が疑わしいものだった場合は、異議を唱えたり、法的な手段に出る権利を保留する」と述べています。
これは、民主主義国家にあるまじき発言です。討論会でも支持している共和党内からも批判を浴びているにも関わらず、発言を繰り返しています。
もちろん、今回の第三回討論会はクリントン氏の圧勝に終わりました。
応援演説をしたオバマ夫婦に対して長女イヴァンカ氏、果たしてどちらが支持されるのか!
ここまで来ると、どれだけ発言の弁解をしたとしても意味がないと私は思います。逆効果になる可能性も今の段階ではあると思います。
それに対して、オバマ氏陣営の発言には根拠があり、説得力もあります。何と言っても現在の大統領ですから知名度も発言力も大きいと思います。
それに対して、イヴァンカ氏はモデルや実業家という肩書を持っていますが、その程度です。トランプ氏のインパクトがありすぎて、陰に隠れてしまうのではないでしょうか。
強すぎる光には大きな影が出来るのと同じだと私はこの時思いました。
今後の大統領選の行方は?
最終テレビ討論会も終わったことで、今後は選挙戦の激戦区であるオハイオ州、ペンシルベニア州、フロリダ州、ノースカロライナ州などを中心に演説していくのではないでしょうか。
その際、大統領選挙まで一か月を切ったことからより具体的な内容を踏まえた演説になると予想しています。
この一か月の間にこれまでに出た問題をいかに適切な発言で対応できるか、それぞれの器にも注目してみていきたいと私は思います。
具体的にはクリントン氏は「メール問題」、トランプ氏は「女性問題や大統領の資質」など注目してみていると良いのではないでしょうか。